「先進地から学ぶ市民参加型のまちづくり」シンポジウム開催レポート vol.3 賛否ではない。住民投票は想いを届けるための挑戦
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【議会否決も活動は続く。未来は市民で】
5月17日に開催された「まちづくりシンポジウム」のレポートを、全4回に分けてご報告します。第3回となる今回は、当会からの「議会報告(住民投票条例の提案と審議結果)」をお届けします。
住民投票条例の提案内容と議会審議の結果
1. 提案の目的と経緯
市民生活に大きく関わる事柄が市民の知らない間に決まってしまう現状に疑問を持ち、間接民主制と直接民主制を組み合わせた「ハイブリッドな民主主義」の確立を目指し活動を開始しました。現在の間接民主制では、議員間のしがらみなどにより、民意と離れた決断が行われ、機能不全に陥るリスクがあります。2〜3月の茨城県議会議員報酬の値上げもその一例です。市の最高規範である「古河市自治基本条例」第19条には、市政の重要事項について市民の意思を確認する「住民投票」の実施が明確に謳われています。現在、新公会堂建設(約218億円)や南古河駅設置(約200億円)など将来に関わる巨大事業が検討されていますが、市民の想いを反映する機会はなく、事業が進めば後戻りはできません。住民投票のコストは約5000万円の想定ですが、他の選挙と合わせることで約4割削減(約3000万円)が可能であることが、愛知県豊橋市の事例から明らかになっています。数百億円規模の事業の是非を問うための費用としては決して高くないと考えています。昨年11月には専門家を招いた設立フォーラムを開催し、同年12月の市議会定例会にて、8名の賛同議員と共に「古河市住民投票条例の制定について」を提案しましたが、4名の賛成が得られず否決されました。

2. 条例案の主な内容 提案した住民投票条例案の主な要件は以下の通りです
第4条(投票権): 満18歳以上の日本国籍を有するもの。現在の選挙制度と年齢基準を合わせ、事務負担や他の選挙との混乱を避けるため現実的な運用を優先。
第5条(請求要件): 投票資格者総数の20分の1以上(約5500人)の連署。投票が実施されない事態を防ぐため、実現可能な数に設定。
第12条(成立要件等): 投票者数が資格者総数の3分の1(30%)未満は不成立(開票しない)。旧古河市の住民投票で「50%要件」で開票されなかった過去の反省と、直近の各種選挙の投票率(42〜45%程度)を踏まえ、実態に即した基準に。
第14条(請求制限): 投票結果の告示日から2年間は、同一・同種事項の請求は不可。条例制定後も実情に合わせて都度改正すべきという考えから、過度な制限を避けた。
3. 議会の審議結果とその後
今年4月の議会では、秋庭繁議員から賛成討論があった一方、反対議員からの質疑や討論は一切なく、電子採決の結果、賛成少数反対15名で否決されました。しかし活動は終わらず、5月11日にメディア向け記者会見を実施し「選挙以外で市民の意思を確かめる仕組みが必要である」と広く訴えました。市民が自ら参加し「住んでよかった」と誇れるまちづくりに向け、今後も活動を継続します。

4. 賛同議員からのコメント 参加した賛同議員からは、住民投票の意義が語られました。
佐藤泉議員: 自身が参加した市民検討委員会で、新公会堂建設地が途中で変更され、決定後に「かさ上げ工事に21億円かかる」と報告されたプロセスに不透明さと憤りを感じた。この経験から「市民参加のまちづくりには住民投票条例が必要」と確信。自治会役員等に説明したところ、全員が賛同・署名をしてくれたと力強く報告しました。

鈴木隆議員: 自身は審議会などに関わっておらずフラットな立場にあり、旧三和町出身の視点から「立場や地区によって市民の声は異なり、意見は揺れ動くもの」と指摘。「だからこそ、賛成・反対に関わらず、与えられた条件が異なる中で、市民同士がじっくりと本音で話し合う場が必要不可欠である」と、対話を生むプロセスの重要性を強調しました。





